訪問日記:三菱一号館美術館を紹介

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東京都千代田区・丸の内エリア。ビジネス街の高層ビルが立ち並ぶ中で、ひときわクラシカルな赤レンガ造りの建物が目を引きます。今回は、そんな建物に魅かれて、三菱一号館美術館を訪れました。以下、私なりの「訪問日記」として、みどころ・基本情報・建築的特徴をお届けします。


基本情報

まずは基本情報を整理します。

  • 名称:三菱一号館美術館(“Mitsubishi Ichigokan Museum”)
  • 所在地:東京都千代田区丸の内2-6-2
  • 開館:2010年春開館。旧「三菱一号館」(1894年竣工)を復元した建物を利用しています。
  • 主題:19世紀後半から20世紀前半の近代西洋美術を中心に、企画展を年3回程度開催。
  • 開館時間・休館日など:通常10:00~18:00(祝日除く金曜・第2水曜・会期末最終週平日は20:00まで)/休館:毎週月曜(祝日・振替休日・年末年始等)
  • 館内施設:ミュージアムカフェ「Café 1894」、ミュージアムショップ「Store 1894」、丸の内の歴史体感スペース「歴史資料室」などを併設。
  • アクセス:JR「東京」駅丸の内南口から徒歩約5分。

このように、交通アクセスも良く、展覧会+建築そのものを楽しめる美術館として、魅力的な場所です。


みどころ

次に、美術館としての「みどころ」を紹介します。訪問する立場から、いくつか特に印象的だったポイントを挙げます。

  1. 展覧会内容の質・テーマ性
    美術館の主題が「19世紀末から20世紀前半の西洋美術」である点が特色です。例えば、館蔵作品には アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック や オディロン・ルドン、 フェリックス・ヴァロットン の作品が含まれています。 展覧会情報をみると、例えば「ルノワール×セザンヌ モダンを拓いた2人の巨匠」(2025年5月29日〜9月7日)など、明確なテーマ展示が行われています。
    こうした企画展は、建物の雰囲気とも調和していて、「近代のモダニズム・アート/建築」という観点から鑑賞すると、とても興味深い体験になります。
  2. 建物と展示の一体感
    赤レンガ外観、クラシカルな館内、吹き抜けや装飾など、建築として非常に魅力的です。しかもそれが「美術館としての展示を引き立てる」空間として設計・復元されているので、作品を観るだけでなく建築空間自体に目を向けたくなります。公式サイトも「建物のみどころ」として、当時の製造方法や素材まで忠実に復元した旨を案内しています。
    例えば、受付を抜けて展示室へ進む際の階段・手すり・赤レンガの壁面など、目を引くディテールが多く、展示作品を眺めながら「この壁にはかつてこの材料が…」と頭の中で思い巡らせながら鑑賞しました。
  3. カフェ・ショップ併設による滞在価値
    館内に「Café 1894」というカフェがあり、旧銀行営業室の空間を活用しているとの記録もあり、展示鑑賞の合間にゆったりと一息つくことができます。また、ショップも充実しており、グッズなどお土産的な要素も楽しめます。鑑賞後に丸の内界隈で散策を兼ねて立ち寄るのもおすすめです。
  4. 立地と周辺環境の魅力
    JR東京駅徒歩5分というアクセスの良さに加え、丸の内というオフィス街・再開発地区の中に「歴史的建築+文化施設」があるというギャップに惹かれます。高層ビルの谷間に、赤レンガ建築が佇んでいるその風景は、撮影にも適しており、訪問者としても視覚的に印象に残ります。

これらを踏まて、「美術館としての鑑賞」「建築としての鑑賞」「滞在・休憩の場としての楽しみ」という三つの視点で楽しめるのが、三菱一号館美術館の大きなみどころだと感じました。


建築的特徴

建築好きとして、ここでは建物自体の特徴も整理しておきます。歴史・形式・復元プロセスなどなど。

歴史的背景

  • 旧「三菱一号館」は、1894年(明治27年)に竣工。設計は英国人建築家 ジョサイア・コンドル によるものです。
  • 建物は、東京・丸の内に建てられた最初期の洋風事務所建築ともいわれ、「丸の内初の賃貸オフィスビル」であったという記録があります。
  • しかしながら、老朽化のため1968年(昭和43年)に取り壊されてしまいました。
  • その後、2007年2月〜2009年4月(復元工事期間)を経て、2009年に竣工・2010年4月開館という形で、現在の三菱一号館美術館に生まれ変わっています。

建築様式・構造

  • 建物の様式は、19世紀後半英国で流行した「クイーン・アン・スタイル(Queen Anne style)」が全面的に用いられています。
  • 旧建物は、「地下1階・地上3階、軒高約15メートル、延床面積約6000㎡」「総赤煉瓦造」という構造。
  • 復元工事では、創建当時の設計図や実測図、各種文献・写真・保存部材等を精査し、意匠・部材・製作方法・建築技術に至るまで忠実に再現するというこだわりがありました。

素材・ディテール

  • 外壁には赤レンガを用い、基壇部には花崗岩、開口部の枠・隅石には安山岩を使用。
  • 復元時には新たに約230万個の煉瓦を製作し、積み上げられたという報告もあります。
  • 館内部には、旧銀行営業室(現カフェ)の2層吹抜け空間・6本の巨大円柱といった装飾的空間も再現されています。

体感して印象に残った点

私自身が訪れて特に印象に残った建築的な体感としては、以下の通りです。

  • 赤レンガの壁面の手触り、レンガ一つ一つの目地の深さ、積まれたパターンの陰影。これが展示空間の光と影の中で、美術作品の鑑賞と相まって「時間を超えた佇まい」を感じさせます。
  • ビジネス街に立地しているにも関わらず、建物自体が「別世界」の入口のような雰囲気を持っており、外界の喧騒から一歩離れた時間を過ごせます。
  • 観賞後のカフェや植栽されたアプローチも含めて、建物を“鑑賞する”という体験が自然と組み込まれているという点が良かったです。

まとめ・訪問を振り返って

丸の内という日常の都市景観の中で、こんなにも豊かな「歴史/建築/美術」の重なりを感じさせてくれる施設は、なかなかありません。特に、建築好き・美術好きどちらの視点からも楽しめる点がこの美術館の強みだと感じました。

訪問時には、展覧会内容もじっくり選ぶと良いでしょう。特に19世紀末〜20世紀前半の西洋美術がテーマであるため、作品世界としても建物の雰囲気とリンクしていて、鑑賞体験が一体化します。また、カフェで一息つく余裕を持つことで、建物内部の雰囲気や細部にも目を向けられます。

アクセスも非常に良いため、東京駅からの散策も兼ねて立ち寄ることができます。丸の内界隈の高層ビル群を背景に、赤レンガの建物を撮影するのも楽しいアングルです。

建築的な意味でも、復元プロジェクトとしての価値が高く、ただ「古い建物を残している」というだけでなく、設計意図・素材・製作方法まで再現されている点に、実際に足を運ぶことでその“こだわり”を体感できます。

もし次回行かれるなら、 展示替え期間の情報を事前チェック し、展示室以外の「歴史資料室」や「旧銀行営業室/カフェ空間」にも時間を割くと、より深く楽しめると思います。

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