茨城県日立市にある「日立駅」は、単なる交通の拠点ではなく、海と一体となった“絶景の駅”として多くの人を魅了しています。ガラス越しに広がる太平洋、そして建築家・妹島和世による透明感あふれるデザイン。ここには、建築と自然が見事に調和した空間が広がっています。
基本情報
- 所在地:茨城県日立市幸町1丁目1−1
- 路線:JR常磐線
- 開業:1897年(明治30年)
- 現在の駅舎完成:2011年
- 設計:妹島和世
- 構造:鉄骨造
駅自体は古くから存在するものの、現在の駅舎は2011年に全面改築されました。日立市出身の建築家・妹島和世が設計を担当し、「海の見える駅」として再生。駅舎の一部が太平洋を臨むガラス張りの空間となっており、観光客だけでなく地元の人々の憩いの場にもなっています。
みどころ
ガラス越しに広がる太平洋
改札を抜けると、目の前に広がるのは一面の青い海。まるで空と海が溶け合うかのような開放的な景色が訪れる人々を出迎えます。
朝日の時間帯には幻想的な光景に包まれます。鉄道ファンだけでなく、写真家や観光客にとっても絶好の撮影スポットです。
駅直結の「シーバーズカフェ」
ガラス張りの駅舎2階部分に位置する人気のカフェ。まるで海に浮かんでいるような感覚を味わえる絶景カフェとして知られています。
テラス席や窓際のカウンター席からは水平線が見渡せ、朝食やランチの時間帯には多くの人でにぎわいます。特に晴れた日のモーニングはおすすめで、日立駅の代名詞とも言える存在です。
夜の光
日が沈むと駅舎は柔らかな光に包まれます。ガラスの壁面が幻想的に輝き、昼間とはまったく違った表情を見せてくれます。夜の静けさと海の音が重なり合い、まるで美術館のような雰囲気に。日中だけでなく、夜の訪問もおすすめです。
建築的特徴
妹島和世による“透明な建築”
日立駅は、妹島和世が得意とする「透明性」と「軽やかさ」が徹底的に追求された建築です。
駅舎の全面にはガラスが用いられ、海と街の境界を曖昧にしています。
自然との調和
建築のコンセプトは「海を感じる駅」。外装のガラスや白を基調としたデザインが、海や空の色を反射し、時間帯や季節によって異なる表情を見せます。日中は明るく清らかな印象、夕暮れにはオレンジやピンクの光を受けて柔らかく染まります。
また、ガラスの透明性により、外と内の境界が限りなく薄く感じられます。通勤・通学の人々が海を感じながら過ごせる空間は、公共建築として非常に斬新です。
地域との一体化
駅舎の再開発は、単なる建物の建て替えではなく、「日立の玄関口を、地域の象徴へ」というコンセプトで進められました。
駅前広場も一体的に整備され、シビックセンター、ホテル、商業施設などとゆるやかに結びついています。日立市のまちづくりの一環として、建築が都市のイメージアップを担う好例といえます。
実際に訪れて感じたこと
日立駅に初めて降り立ったとき、まず感じたのは「駅の概念が変わる」という驚きでした。
ガラス越しに見える青い海、静かに行き交う列車、そして人々の穏やかな表情。すべてが調和し、まるで一つの風景画のように美しい。
特に朝日が昇る時間帯は、駅舎全体が金色に包まれ、幻想的な空間になります。建築の美しさと自然の力が一体化する瞬間です。
また、地元の方々が駅を“日常の中の特別な場所”として利用している姿も印象的でした。観光地でありながらも生活に根づいた公共空間であることが、この駅の最大の魅力だと思います。
まとめ
日立駅は、単なる交通施設ではなく、「建築と自然が共鳴する美しい空間」です。
妹島和世による繊細で透明感のあるデザインは、訪れる人の心を穏やかにし、海と建築が一体となる体験を与えてくれます。
ガラスの向こうに広がる水平線、波の音、柔らかな光――そのどれもが、日立という街の魅力を語っています。
建築好きにも、写真好きにも、そして癒しを求める旅人にも、ぜひ一度訪れてほしい駅です。



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